2017年7月22日土曜日

※「ベーカーのう腫」とは

ベーカー嚢胞(嚢腫) 

膝の裏が腫れて、曲げると窮屈に感じたり、膝を伸ばしたりして痛みを感じる場合は、ベ ーカー嚢胞(膝窩嚢胞)の可能性があります。ベーカー嚢胞55歳から70歳の大人によく 見られますが、ときに4歳から7歳の子どもにもできます。ベーカー嚢胞(膝窩嚢胞)は、 膝の関節腔の裏から袋状に突出した袋が膝の裏にできて、中に滑液がたまって生じます。 膝関節内の関節液が多量に作られるとそれが、裏側に流れて滑液が増加します。原因は不明なこともありますが、関節リウマチ、変形性関節症、膝の使いすぎなどが考えられます。 この嚢胞は拡大して、ふくらはぎの筋肉内まで広がることもあります。滑液の量が急速に 増えて嚢胞が圧迫されると破裂して関節液が漏れ出て周囲の組織が炎症を起こし、血栓性 静脈炎に似た症状が生ずることがあります。ベーカー嚢胞が血管を圧迫すると、膝窩静脈 の血栓性静脈炎を引き起こすことが稀にあります。膝の裏の腫れ具合と医師の触診により 簡単に診断できます。他の腫瘍との鑑別のために、超音波、MRI、関節造影検査などを行 うこともあります。関節炎による慢性の膝の腫れがあれば、注射針で穿刺して滑液を抜き、 長時間作用型ステロイド薬を注射して滑液の産生を抑えます。保存的治療が効果なく、症 状がとても困る場合は外科手術で嚢胞を切除することもあります(図参照)。
 

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